器と切子ガラスのお店「結」
京都市中京区麩屋町通二条下る尾張町212-1
店舗のご紹介

下 和弘 shimo kazuhiro



 プロフィール
 1971年 大阪府交野市生まれ
 1995年 佐賀県立有田窯業大学
 研究科卒業
 メッセージIN美濃95に出展
 佐賀・愛知にて修行
 鯉江良二に1年間師事
 1996年 三重県伊賀市に陶房を開く
 以降、全国各地にて個展主体で活動

 

下和弘さんがつくる作品は、どれも明るく色鮮やか。
カラフルに彩られた器からは、軽やかさだけでなく上品さも感じられます。「自由」な器をつくり続ける下さんに、 発想の源や、焼き物への思いなどをうかがいました。



「自由」な器づくりは 「やったらダメなことなどない」という教えから

豆皿 ――陶芸家になったきっかけは?

最初のきっかけは二十歳のとき、佐賀県立有田窯業大学へ入学したことです。陶芸にはそれほど興味はなかったのですが、有田の土地が気に入ったことと、大学が比較的自由に制作をさせてくれる校風だったため入学しました。ただ、大学では彫刻などを中心につくっていて、卒業後も器ではなく、彫刻などのオブジェをつくっていきたいと思っていました。

―― では、本格的に器づくりを始めたのは?

卒業後、以前からその作風に強くひかれていた鯉江良二先生の下へ行きました。もちろんアート作品をつくるつもりでしが、実際に行ってみると制作の中心は器だったのです。ところがその器を見たとき、初めて「器ってかっこいい!」と思ったのです。あの瞬間が本当の出発点です。

先生の作品は、割れた器や穴のあいたツボなど、これまでの陶芸の概念からは考えられないものが多く、とにかく新鮮でした。それまで、やってはダメなことを教えられてきたので、「やったらダメなことなどない」という先生の言葉には驚かされました。この言葉が今のスタイルにつながっているのだと思います。
 



楽しみながら描いていると世界にひとつの器が生まれる

 

豆皿 ―― 作品づくりの中で大切にしていることは?

まずは自分が楽しむことです。独立した当初は、志野焼や織部焼などをつくっていたのですが、「何か違う」と感じていました。生活のための「売れるもの」=「きちんとしたもの」をつくろうとしすぎていたため楽しくなかったのです。

そこから、「やっぱり楽しく器をつくりたい」と、器に絵を描き始めたのです。描くのは、そのとき自分が「いいな」と思った絵や詞です。だからまったく同じ絵柄のものはありません。自分の器を手にしてくださったり、購入してくださった方を「楽しませてやろう」というより、「一緒に楽しみましょう」という気持ちでつくっています。






―― 作品づくりで、こだわっている点は?

細部まで手を抜かないことです。器の内部や裏側にも絵や詞を描いていますが、この手間を惜しんだら自分の作品ではなくなると思っています。 器に絵を描くことは、平面に描くより難しいため、最初は上手く描けませんでした。でも、技法を考えることは好きなので、試行錯誤の末、ロウが持つ塗料をはじく性質を応用しました。絵柄に沿って切ったテープを器に貼り、その上からロウをぬります。テープをはがして塗料をぬると、ロウがぬられていない絵柄部分にだけ着色できるのです。この手法を得たことで、今の作風が定着しました。

ポット

ポット









 ―― 今後の展開は?

今よりも、さらに凝った器をつくりたいですね。ひとつの作品に数カ月かけたり、巨大な作品をつくったり。 器づくりが中心であることは変わりませんが、以前に制作していたオブジェなどにも、もう一度チャレンジしたいと思っています。

企画・取材・原稿・撮影:アドバンスクリエイト株式会社
ご相談・ご依頼はコチラ

このページの先頭に戻る